懐かしのDVDメーカー「渋谷書店」。ファンの間で「渋書」とも呼ばれ親しまれた作品たちは今どこに? ― 芸術性に優れた全盛期のイメージビデオを手に入れたくてネットを検索しても、全く出てこないですね。せめて当時の流れをくむ作品がその後作られてないかと探してみたのですが、中古市場で取引されている作品のパッケージは「渋谷書店.com」「渋谷書店」「渋谷プラス」「渋書コンテンツ」など色々なレーベルがあって調査には困難を要しました。
ということで、渋谷書店の名作ビデオの内容、探し方について、さらに発売禁止~逮捕~閉店という経緯について調査した内容を記します。
渋谷書店のイメージビデオ

渋谷書店の名作ビデオ(佐々木みく・久保田かな)
渋書作品といえば
渋谷書店の作品といえば、女優さんがメルヘンチックな音楽とともに、時にはアンニュイな雰囲気で織りなす芸術性の高いイメージビデオという印象が強いです。
男性との絡みなど大人向けの要素は一切なく、視聴者に話しかけてくれるシーンもある完全主観の作品は、まさに夢の世界でした。
制作と販売が行われていたのは、推定ですが、2000年~2016年くらいだと思われます。そして、これら伝説の作品は初期にビデオで発売され、その一部だけがDVD化されていたようです。
渋谷書店の全盛期の作品を手に入れる方法

渋谷書店の名作ビデオ(加藤さやか/椎名あかね)
動画サイト「いちごキャンディ」の会員になる
廃盤など入手困難な激レア作品3000本以上を閲覧&ダウンロード可能な「いちごキャンディ」という会員制サイトで観ることができます。海外サイトですが会員は日本人ばかりでサポートもしっかりしていて評判はなかなか良いようです。ダウンロードした動画は退会後も永久に見ることができるので、お宝作品を自分だけのものにできるメリットは絶大。
いちごキャンディの公式サイト情報、お得な登録方法など詳しくは以下のサイトでご覧ください。
「いちごキャンディ」で渋谷書店の名作を探す方法
いちごキャンディの検索窓で「渋谷書店」と入力しても、出てくるのは後期の一部の作品だけです。こちらも大変魅力的な作品で、筆者も1枚DVDを所有しておりますが若干の修正が入ってます。
名作が揃ってる初期の作品を探すには「渋〇書店」と入力して検索してください。名作シリーズがずらりと70作以上出てきます。各作品の紹介ページに飛べば、入会しなくても、10枚以上のサンプル画像を見ることができますので、それだけでも古き良き時代の作品を確かめてください。
ヤフオクなどのオークションサイトでは出品されない?
ときどき作品名でGoogle検索してるのですが、前述の伝説作品はまだ目にしたことがありません。ヤフオクや駿河屋をときどき覗きに行くのですが、やはり見つからず、気が付いたら別の作品を入札していた(またはカゴに入れてた)ってことがあります。
渋谷書店.com(渋谷書店ドットコム)以外の作品はどうなの?

渋谷書店の名作ビデオ(後藤まほ/桐原ルイ)
本家の「渋谷書店.com」以外にも、その閉鎖後に誕生したと思われる「渋谷書店らしきレーベル」は中古市場に数種類あって、どれがその流れをくむ正当な後継レーベルなのか?ここはハッキリさせたいところなので、実際にヤフオクで落札したり駿河屋で購入したりして確かめてみました。
渋谷書店.com
製品のパッケージには「企画・制作 渋谷書店.com」と記載。渋谷書店がウェブで販売していたころの名称、ロゴもそのままで、所在地は「新宿区百人町1-22-19」と記されてます。こちらが元祖で間違いなさそうです。
中古市場で流通してる作品に関しては、元祖の持つ芸術性は感じられませんでしたが、作風は受け継がれているように思えました。
渋谷書店(渋谷プラス)
製品のパッケージには「渋谷書店」と記載。その下に小さく「企画・制作 渋谷プラス」と記載されてます。URL( http://shibuyashoten.net )も記載されてましたがアクセスできず、調べてみたらドメインは手放された状態でした。
すべての作品を見たわけではありませんが、イメージビデオの枠から外れた作品でしたので、元祖とは関係ないようです。
渋書コンテンツ
こちらは元祖の名作を総集編にしたり修正を施したりのリメイク版で、渋書ファンにとっては大変ありがたい存在ですが、入手できるのは中古市場だけです。
法外な値段がついているわけではありませんが、ダウンロードだけ、またはレンタルでもいいという方は動画サイトにアップされているのでご覧になってみてください。
渋谷書店の逮捕~閉店について

渋谷書店の名作ビデオ(立花麻里華/赤石えみり)
検索すると「渋谷書店 逮捕」といったワードも散見されますが、公式に発表されたニュース記事は見当たりませんでした。しかし、NGO団体「ヒューマンライツ・ナウ」の報告書から以下の内容が確認できました。断定はできませんが、渋谷書店の逮捕というウワサは、たぶんこのことだと思われます。
~さらに、2016 年 6 月 4 日には、警視庁生活安全部保安課が、わいせつ電磁的記録媒体頒布 容疑などで、DVD 製作販売「エスコム」社長を逮捕。同課によると、同社は主に面積の小 さい水着などを着用する「着エロ」と呼ばれるジャンルのイメージ・ビデオを制作し、運 営する通販サイト「渋谷書店.com」などで販売したことが立件された。薄い下着やラ ップ越しに性器を映すなどのわいせつな映像があったとされる。
渋谷書店の閉店とほぼ同じタイミング
このDVD 製作販売「エスコム」という会社を調べたのですが、所在地が商品パッケージの記載と同じだったので渋谷書店の本体だと思われます。
そしてこの逮捕が行われた時期と、渋谷書店.comのウェブサイトが閲覧できなくなった時期がほぼ重なっております。
結論を言うと、現在の「渋書」の動向は不明です。 ウェブサイトの閉鎖は、事実上の閉店といっていいでしょう。
新作が出ていないのは確かで、サイトや公式の発表も見つかりません。中古市場ではまだパッケージが出回っているので、完全に忘れ去られたわけではないけれど、レーベルとしては事実上活動を停止していると考えるのが自然かなと。
覚悟とともにギリギリを攻めたビジュアルアート
別の情報(出典不明)によれば、容疑の対象となったのは、「VISUAL ART(ビジュアルアート)」というシリーズで、作品の概要には『女性の中でも特に美しいとされるモデルを対象に、一切の加工を施さずアート作品としてご提供いたします』とあります。アート作品として制作されたものであれば、わいせつという判断が正しかったのかという疑問もわいてきますが、覚悟とともにギリギリを攻めたのでしょう。
渋谷書店の制作理念を貫いた姿勢にはファンの一人として敬意を表したいです。
さいごに
正直、あの頃の渋書のビデオやDVDは自分にとって「隠れた宝物」みたいな存在でした。今になって振り返ると、演出やテイストは独特で、他のメーカーにはない味があったと思います。
だからこそ「渋書は今どうしてるんだろう?」と気になって調べてみたんですが…どうやら完全に姿を消してしまったようです。調べていくほどに、なんとも寂しい気持ちになりました。
またどこかで「渋書」の系譜を受け継ぐような作品に出会えたら嬉しい。そんなことを願いつつ、今日はこのへんで。
※この記事はあくまで個人の調査・感想まとめです。誤りがあれば教えてください。